仮に全区分で商標出願したとしたら
よく商標権を取得したら、その商標についてすべて自分が独占できると
思われている方がいらっしゃいます。
それは違います。。。
商標は、商品や役務(サービス)と関連付けて登録されるものですから、
指定した商品やサービスについて商標の使用を独占できるだけです。
世の中に多く存在する商品・サービスが存在するため、
特許庁では、多くの商品・サービスを45のグループ(区分)に分けています。
出願の際には、指定する商品・サービスがどの区分に属しているのかを指定します。
そして、特許庁に支払う印紙代はこの区分の数によって決まっています。
また、特許事務所では手数料を区分の数によって計算するところが多いです(弊所もそう)。
理論上、45区分全てを指定することも可能です。
しかし、その場合、特許庁へ支払う印紙代だけでもすごい額になります!
45区分全て指定すると、出願時に特許庁へ支払う印紙代は、390,400円。
晴れて登録査定になった場合、登録時の印紙代(5年分)は、985,500円。
合計1,375,900円。。。
現実的には全ての商品・サービスについて商標を独占することは困難です。
やはり、実際に使用しているもの、近い将来使用する予定のある商品・サービス
の区分を指定して、権利化することになりますね。
事業を進める上で商標登録を考える場合、限られた予算のなかで、
どのような商品・サービスまで見越して出願するか、非常に悩ましいところです。