6月5日に出されたプロダクト・バイ・プロセスクレーム(PBPクレーム)に関する
最高裁判決を受けて、特許庁から審査、審判の取り扱い等についての判断が示されました。

http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/product_process_C150706.htm

PBPクレームとは、「物」の発明について「製造方法」で記載した請求項のことです。

例えば、「○○℃に加熱した後、□□を形成して製造された物」とか
「○○方法で製造された組成物」といった表現です。

本来的には、「製造方法」に特徴があるので「方法」の発明として記載したいところです。
しかし、どうしても表現しにくい場合や、侵害発見しにくいなどという観点から、
これを「物」として表現したい場合もあります

PBPクレームでは、結果物が同じである場合、
請求項に記載した方法で製造した物に限定されるのか、

結果物が同じなら権利範囲に含まれるのか、昔から問題になっています。

今回、最高裁では後者(物同一説)を採用したようですが、
一部の裁判官の意見(私見)が付されていて、
PBPクレームの判断の難しさが伺えます。

この判決のなかで、PBPクレームの明確性の条件について示され、
特許庁はこれに対応してPBPクレームについての判断運用を出した訳です。

実務においては、発明をなるべく多角的に捉えることで多面的な権利を
取得できるような
表現を目指します。
その中でPBPクレームも臨機応変に作成しています。

今回の特許庁の判断で気になるところは、PBPクレームの明確性の判断について
これからの出願ものだけでなく、

既に出願済み、特許成立済みのものも対象になるという点です。

つまり、いままではOKにしていたものが、後からNGよ、ということですよね。

もう既に権利化されているPBPクレームは多数存在します。
こうなると形式的にPBPクレームだからといって拒絶理由を出したり、
既に権利化されたPBPクレームについて無効審判が頻発する
といった可能性があります。

今後の実務では気を付けないといけません。
しばらく注視してみる必要がありそうです。