商標の「分割出願」とは、
商標登録出願の指定商品・役務の一部について新たな出願を

することです。
親出願から子出願をするイメージですね。

例えば、一部の指定商品・役務について拒絶理由があるとき、
その一部の指定商品・役務について分割出願(子出願)をします。

親出願については、拒絶理由のある一部の指定商品・役務を削除する

補正をすることで、権利化することができます。

分割出願のメリットは、親出願の出願日を引き継げることです。
したがって、親出願から分割出願までの間に他人の同一出願あっても、
分割出願のほうが勝つわけです。

今回、この分割出願についての要件が強化されました。

https://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/bunkatu_kyouka.htm

特に、ここの(5)親出願の出願手数料が納付されていること。
が追加になっています。

これは何を意味するかというと、大量出願している某氏への対抗策です。

某氏は、大量に出願して、出願手数料(特許庁印紙代)を払いません。

そうすると、特許庁から補正指令が届きます(料金払ってね)。
しかし、これに応答せず、分割出願をします。
もちろん分割出願でも出願手数料を払いません。
そうすると、また特許庁から補正指令が届きます(子出願の料金払ってね)。
またこれには応答せず、また分割出願(孫出願)をします。

そうするとまた…

これを延々繰り返すことで、料金を払わずして「親出願」の出願日を
確保した子出願、孫出願、ひ孫出願…によって先願の地位を
得続けられる、ということになります。

やがて本当に商標登録したい人が出願しても、この先願によって
拒絶される可能性が出てしまいます。
某氏はこれを待って交渉する、という流れです。

今回、特許庁は(5)の要件を追加したことで、
親出願で料金を払わないと、分割出願を認めない、つまり、
先願の地位を確保できない、とした訳です。

これで、料金不納で延々と分割して、親出願の出願日を確保していく
ということが出来なくなります。

この要件強化によって某氏の大量出願自体が無くなるかは分かりません。
しかし、今までのように延々と先願の地位を確保できなくなりますので、
その後に出願した人は某氏の出願を気にすること無く、
登録できる可能性が高まりますね。